第26回 プレミアム・セレクション
設立年:1983
オーナー:トッド・アンダーソン
ワインメーカー:ロバート・ハント
カリフォルニア州ストックトン市の パシフィック大学の地質学学位を取得後、 トッド・アンダーソンは地震オイルとガス 探査の技術の最先端を行く小さな地球物理 学企業に就職したが、すぐに企業の世界は 自分に向いていないことに気付く。彼はそ の業界が好きではあったが、常に屋外のこ とが気になり、土に触れている世界に戻り たいと思っていた。その思いと両親が「小 さな葡萄畑」を始めたことを聞いたこと が、アンダーソンのコン・ヴァレー・ヴィ ンヤーズの設立につながる。1983年以降、 アンダーソンズ・コン・ヴァレー・ヴィン ヤーズはアンダーソン家によって所有およ び運営されており、1987年の最初のリリー ス以来、彼らは世界に通用するワインの生 産に専念してきた。40エーカーの土地はセ ント・ヘレナのハウエル・マウンテンのす ぐ南に位置している。現在創立35周年を迎 え、この地域で創業者が今でも所有してい る少数の主要なエステートの一つである。
設立年:2014
オーナー:パトリス・ブルトン&ジョル ジュ・サボンギ
ワインメーカー:ショーン・ジョンソン& フィリップ・メルカ
アプリオリは、高校時代からの友人 であり、非常に情熱的で、明確で、真剣な ワイン醸造家の2人、パトリス・ブルトン とジョルジュ・サボンギのコラボレーショ ンである。パトリスとジョルジュは、お互 いにワイン造りに専念する前に、テクノロ ジー業界での成功を収めていた。パトリス はアプリオリのすべての生産オペレーショ ンの指揮をとる。そして彼はまた、ナパ・ ヴァレーのセント・ヘレナの高級ブティッ クワイナリーであるヴァイス・ヴァーサ・ ワインのオーナーでもある。一方、ジョル ジュはアプリオリの販売、マーケティン グ、および経営を管理する。アプリオリ は、品質、自然度、そして喜びがすべての ワイン造りの一部でなければならないとい う原則に基づき設立された。そのワイン造 りの哲学は、葡萄の純系の特質や気候によ る特徴的な性質を示すバランスとテロワー ルに深く根ざしている。美しさと真実を追 求する彼らの大変な努力の上の献身は、誰 もが喜ぶ非常に高品質なワインとなってい るのである。
設立年:1991
オーナー:コドーニュ・ラヴェントス
ワインメーカー: アナ・ディオゴ・ドレー パー
1980年代、歴史的なスペインのワイン 醸造家コドーニュ・ラヴェントスは、ナパ・ ヴァレーのカーネロス地方に葡萄畑を取得 し、開発し始めた。1991年にコドーニュ・ナ パの名でスパークリング・ワイン・ハウスと してオープンしたワイナリーは、葡萄畑の品 質とその潜在的可能性が明らかになったた め、最終的にワイン生産へと移行した。ワイ ナリーは1997年にカタロニア語で「手作り」 を意味する言葉、アルテサと改名され、以 来、カーネロスとナパ・ヴァレーで最もよく 知られている品種であるシャルドネ、ピノ・ ノアール、カベルネ・ソーヴィニヨンの大手 醸造者となった。コドーニュ・ラヴェントス は未だに家族経営の会社で、バルセロナ近郊 のペネデス地方では1551年まで遡ることがで きるワイン造りの伝統があるスペインで最も 古い会社である。今日、コドーニュ・ラヴェ ントスはスペイン、アルゼンチン、カリフォ ルニアでワイナリーを所有し、アルテサに幾 世代もの専門知識をもたらしている。
設立年:2013
オーナー:ケリー・トレヴェザン、マーク・ シュラッツ&ドン・ヴァン・ラーケン
ワインメーカー: ジーン・ホフリガー
その土地の歴史は、かつてアメリカン・ インディアンが猟を行っていた土地であった り、ワイルド・ウェストのパイオニアが開拓し た土地であったり、1886年にカリフォルニア初 の女性ワイン製造者が誕生した地であったりと いう歴史的な物語が幾重にも重なっている。 134年に亘り、様々な所有者を経て、現在は醸 造所、レストラン、旅館、ワイナリー、サロン などを備えた総合施設になっている。恋愛、欲 望、失恋、殺人や立身出世などの物語は、現代 のAXRのビジョンを想像する背景とる。 AXRの夢は4人の友人達によって始まった。3人 の創始者、ケリー・トレヴェザン、マーク・ シュラッツ、ドン・ヴァン・ラーケンに加え、 コンサルティング・ワインメーカーのジーン・ ホフリガーの4人はしばしばテーブルを囲み、 飲んで、笑って、共通の夢の話に花を咲かせて いた。現代のカリフォルニア・ワイン産業を構 築する上で有名なAxR台木(アラモン×ルペス トリスAramond x Rupestris)に因んで命名さ れたAxR#1は、最終的にはフィロキセラ(寄生 虫)に屈し、カリフォルニア・ワインの土地の 大部分が侵されてしまった。ワイン製造者たち は葡萄園の構造全体を再植し、再考する機会を 得た。テロワールに注意を払い、独特の品種が 研究され、これはまさにワイン産業の転換点と なった。今日、AXRは、その歴史に敬意を表 し、その先駆者と同様にナパ・ヴァレーの興奮 とイノベーションの軌跡を残すワイナリーと なっている。
設立年: 1994
オーナー:ショーン・キャピオー
ワインメーカー:ショーン・キャピオー
ピノ・ノワールは高貴な赤ワインとし て、また、最も困難な生産を要する品種とし て認識されている。この品種は、明るくてフ ルーティーな味わいから、濃くて素朴な味わ いまで、多くの顔と印象を持っていて、それ らの厄介な品質が永遠にピノ・ノワールの 「聖杯」を追求するように作り手を奮い立た せるのである。ショーン・キャピオーは1994 年にキャピオー・セラーズを創設し、以後伝 統的なブルゴーニュ技術と現代技術を融合し た単一畑のピノ・ノワールの生産に打ち込ん できている。彼の哲学は、他のワインと区別 ができる生産地域の特徴を出したワインを作 ることにある。独自の栽培地域から高品質、 定量生産、選び抜かれたクローンブドウのみ を使用。すべてのワインは自然発酵され、自 然の味と香りを保持するために清澄濾過処理 を一切ほどこさない。そして樽には最低限に 抑えた新しいオークを通常33%使用。キャピ オー・セラーズはカリフォルニアのピノ・ノ ワールに特化している。1994年にショーン・ キャピオーは自身のワインレーベル、キャピ オー・セラーズを市場に出したが、現在は東 海岸でワイン・コンサルタントを手掛けなが らナパ・ヴァレーのハウエル・マウンテン・ アペレーションのオーショネシー・ワイナ リーでワインメーカーとしても勤務する。
設立年:2002
オーナー:ブレット・レーヴェン&ディア ネ・クライネック
ワインメーカー: ブレット・レーヴェン
ワインメーカー: ブレット・レーヴェン
フロストウォッチ・ヴィンヤード&ワ イナリーはブレット・レーヴェンとディア ネ・クライネックが所有し、運営する。2002 年が彼らのワインの初めてのヴィンテージで あったが、カリフォルニア大学デイビス校で 1980年代半ばに二人が出会った時にはすでに ワインへの関心を持っていた。大学を卒業 後、彼らは結婚し、サンフランシスコの金融 街で働き、お互い都会の生活を楽しんでいた が、決して田舎暮らしの夢を諦めたわけでは なかった。1995年に彼らはベネット・ヴァ レーで不動産を購入する機会を得る。その後 間もなく、ソノマ郡に移り、3人の子供のう ちの最初の子供を授かった。フロストウォッ チ・ヴィンヤードを設立した後、ブレットは 彼の天職を見つけたことを確信する。農業に 加えて、彼はワイン造りの仕事を複数のワイ ナリーでしており(アルダーブルック・ワイ ナリー、マタンザス・クリーク・ワイナ リー、ラメイ・ワイン・セラーズ)、更にUC デイビス校の公開講座でワイン造りを学ん だ。契約上は他のワイナリーとの契約が2005年まで残っていたが、各社はブレットたちが 独自のラベルを始めるための果実を確保する ことによる契約の提供量の減少を許可してく れた。フロストウォッチ・ヴィンヤード&ワ イナリーは、2013年のヴィンテージから 1,800ケースを生産するまでに成長してき た。
設立年:2005
オーナー:トム・ギャンブル
オーナー:トム・ギャンブル
ワインメーカー:ジム・クロース
ナパで100年に亘り農業を営むギャンブ ル・ファミリー・ヴィンヤーズの愛情と魂がそ の土地に深く注がれていることは想像に難くな い。2005年に3世代目の農場主、トム・ギャン ブルによって設立されたギャンブル・ファミ リー・ヴィンヤーズは、ナパで最も高く評価さ れているAVAであるオークヴィル、マウント・ ヴィダー、ラザフォードとヨントヴィルに最良 の土地を所有している。そのワイナリーと招待 客のみが入れるテイスティングルームは、ナ パ・ヴァレーのオークヴィルAVAの中心を通る ハイウェイ29の人里離れた静かな場所に控えめ に佇む。主要道路から奥に入ったこの場所での ギャンブルの使命は、1916年に牧場主としてナ パに移住した祖先が種を蒔いたその土地の伝統 を継承することだった。先祖は、生計のためだ けでなく、目的に満ちた人生を過ごす土地に対 する深く不変の親和性のあるレガシーを残して いた。 トムは父親を見習って幼い頃からこの牧場地に 携わってきた。1981年、20歳で何人かのパート ナーと共に最初の葡萄畑を購入し、葡萄を商業 的に栽培する最初のギャンブルとなった。 「伝統を考えると、個人の感情に左右されず農 業を続けることはできない。生計を立てるため にはもっと簡単な方法がある。従って次のス テップを踏んで、自分の名前をワインのボトル
に表示することも簡単にはできることではな い。」とギャンブルは言う。
設立年:2013
オーナー:ラルフ・ヘルテレンディ
ワインメーカー: フィリップ・コラロ・ タイタス
ヘルテレンディのワインは、私た ちの古き世界の家族的伝統を何世紀にも 亘り象徴している。18世紀スロバキアの 葡萄畑からハンガリーの大叔父、ガボー ル・ヘルテレンディまで、そして今日ま で、これらの伝統は、ナパ・ヴァレーと 大西洋の両岸の橋から選ばれた質の高い ヴィンテージ品により新世界で生まれ変 わってきた。創設者でありワイン製造者 であるラルフ・ヘルテレンディとワイン 造りのコンサルタント、フィリップ・コ ラロ・タイタスは、お互いのスタイルの 間を取ったワインを造り、これまでにな い美しい液体アートを生み出した。彼ら は長年に亘り共生関係を形成し、完璧な ワイン造りを追求するために、ワイン醸 造技法の限界に挑み続けている。
Luna Vineyards ルナ・ヴィンヤーズ
設立年:1995
オーナー:マ イ ク・ムーン
オーナー:マ イ ク・ムーン
ワインメーカー:シャナ・ミラー
1995年、ジョージ・ヴァレとマイク・ ムーンが、将来性を見込んでシルヴァラード・ トレイル沿いの畑を購入、ナパ・ヴァレー特有 の品種ばかりでなく、当時この地であまり知ら れていなかったピノ・グリージョとサンジョ ヴェーゼを植えたことから、このワイナリーが 始まった。彼らは、ワイン造りで最も重要な要 素は畑にあると信じているため、土地に対して 深く変わらぬ敬意を抱き、できる限り土壌の改 造を控え、農薬や化学肥料も制限している。手 作業による摘み取りと選別、さらに自然酵母菌 による発酵と長期にわたるアセレーション(果 皮浸漬)があいまって、ひときわ優れたワイン を生み出している。ワイナリーは、クラシック な優雅さをまとうイタリア式建造物。手づくり のタイルの床におかれたペルシャ絨毯に革張り のソファ。クリスタルのワイングラスと象眼細 工を施したテーブル。このサロンのようなティ スティングルームで、ルナ・ヴィンヤードの名 高いカベルネ・ソーヴィニグヨンやメルロ、ピ ノ・リージョ、そして最新作を試飲することが できる。
設立年:2002
オーナー:ティム・ボルゲス&ジェーン・ポル タルーピー
ワインメーカー:ティム・ボルゲス
「カリフォルニアのワイン産業は、歴史 的に見て、最高の生活を目指すという精神だけ ではなく、“カリタル”のワイン産業を確立 し、イタリアワインを愛する最初の切り口をも たらした我々の祖父母を含む偉大なるイタリア の移民達に根ざしている。ポルタルーピーで は、現代生活と古い伝統への尊重を融合させた “ カリタル”を生き方として定義する。」 ティム・ボルゲスとジェーン・ポルタルーピー 夫妻は、この信念に基づいて2002年にポルタ ルーピーを立ち上げた。ティムは18歳の時にワ イン業界で働き始め、40年のワイン造りのスキ ルをポルタルーピーに注いだ。ナパにある複数 のワイナリーで働き、コンサルタントとしての 経験を積み重ねた後、ジェーンと共に自分たち のブランドを始める時だと決心する。ジェーン のキャリアは、小売マーケティングにおいて経 営幹部レベルにあり、二人は共に、そのスキル をポルタルーピーのライフスタイルと受賞に値 するワインを造り上げることに注いでいる。
設立年:2001
オーナー:スブラジア・ファミリー
ワインメーカー: エド&アダム・スブラジア
トスカーナの伝統では、良い赤ワイン は、各家庭の夕食の一部であり、またそれは 生活そのものと、生活の品質の両方を意味す る。そしてそれをスブラジア家は大事に守り 続けている。一家の歴史は1904年にエドの祖 父がトスカーナ州からヒールズバーグに移り 住んだ頃に遡り、歴史あるイタリアン・スイ ス・コロニーを含む多くのワイナリーで働い ていた。ドライ・クリーク・ヴァレーで育っ たエドは、父親と共に家族の葡萄畑で剪定、 間伐や収穫など、懸命に働いた。そして、ワ インメーカーの仕事が彼の望んでいるもので あることに気づくのには時間はかからなかっ た。 エドは、32年に亘りナパ・ヴァレーのベリン ジャー・ヴィンヤーズでワインマスターとし て働き、赤と白の両方で「ワイン・スペクテ イターズ・ワイン・オブ・ザ・イヤー」とい う、名誉ある賞を受賞している唯一のワイン メーカーであり、多くの称賛を受けている。 2006年にエドはベリンジャーを辞め、家族の ワイナリーを始めるために古いレイク・ソノ マ・ワイナリーのプロパティを購入した。エ ドは、「家族の葡萄畑は、父が私と私の子供 たちに残してくれた財産である。私はこの土 地を愛し、そこからワインを造る。家族の名 前でワインを造ることは父が私のためにして くれたすべてを肯定することになる。これは 私が父、ジーノに感謝の気持ちを示すために しなければならなかったことなのだ。」と言う。
設立年:2002
オーナー:ジェイミー&ミッシェル・ウェッ トストーン
ワインメーカー:ジェイミー・ウェットス トーン
1998年の夏にターリー・ワインセラー ズで働き始めたジェイミー・ウェットストー ンは、ワイン造りのためには何でもする、と 冗談混じりにある友人に話していた。それか ら6年半、ジェイミーは、丘の中腹にある30 エーカーの土地に葡萄を植え、スペイン語を 流暢に話し、200エーカーの有機栽培葡萄の 管理を手伝い、ワインメーカーのアシスタン トとなり、自身のレーベルを始め、フルタイ ムでコンサルティングを行うようになったの である。ターリーは、ジェイミーのために農 業と、細かい、最先端のワイン造りの実務経 験により、これらすべてのことを行うことが できる場を提供してきた。さらにワイナリー での経験を向上させるために、ジェイミーは 2001年夏の短期間、ブルゴーニュのドメー ヌ・ドゥジャックでも働いた。 現在、ジェイミーはウェットストーンの執行 債務者であり、マニフェスト・ワインの最高 経営責任者兼共同創立者、及びJTワインのコ ンサルティング・ワインメーカーとして活躍 している。ワインを愛するジェイミーの熱意 と様々な経験が相まって、最終的にウェット ストーン・ワインセラーズに辿り着いたので ある。彼が提供するワインは、ピノ・ノワー ル、シラー、ヴィオニエ、シャルドネとなっている。